住まいの耐久性を高める『外断熱』という選択
家の寿命を延ばすには?
家の寿命は、住む人のスタイルや、生活している地域の天候、環境などによって変化するといわれています。そのため、建物の耐用年数を延ばしたい場合は、あらゆる角度から住まいと向き合うことが必要です。建物に何か不具合やトラブルが発生してからプロや専門家に相談して対処してもらうといったケースも少なくありませんが、日頃からこまめなチェックを行っていれば、ある程度家を長持ちさせることができます。家の寿命を延ばしたいのであれば、定期的な建物のメンテナンスは欠かせないでしょう。
今回は、建物のメンテナンスではなく、建物のそのものの耐用年数を延ばす方法をご紹介します。それは、断熱材を変えることなのです。
断熱材が家の寿命を縮める
断熱材が家の寿命を縮めてしまう原因になっていることをご存知でしょうか。従来の断熱材は、建物の内側に施工する内断熱工法を採用しています。この内断熱工法は、場合によって建物の寿命を縮める原因にもなりかねないのです。
これはどういうことかというと、理由は大きくわけて二つあります。まず一つ目は、建物の構造を支える骨組みである躯体(くたい)部分の温度変化による劣化です。従来の内断熱工法では、躯体が外気温と同じになり、室温との温度差が夏冬ともに60℃にもなります。そのため躯体は、膨張、収縮を繰り返し、劣化してしまうケースが多いのです。
そして二つ目の理由は、カビ。建物の内側に断熱すると建物は外気温と同じ温度になり、冬場は外気温0度の場合、コンクリートは2度になるのです。室内の温度を20度にすれば温度差は18度になってしまうため、結露が発生します。結露を放っておけば、断熱材の部分にカビが生え、このカビが建物の腐敗の原因になるのです。このカビは、日本では主にアスペルギルスと呼ばれ、発がん性が高く、アレルギーの原因にもなるといわれています。こうした人体への影響も考えると、結露を防ぐことは建物の耐久性に関わるだけでなく、健康的な生活を送るうえで非常に重要な課題なのです。
<家の寿命を縮める原因>
・躯体の温度変化による建物の劣化
・結露によるカビが建物の腐敗に繋がる
内断熱工法を採用する場合は、結露の発生を防止するためにも精度の高い施工が求められます。安価な断熱材を使用してしまうと、大切な住まいの寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。内断熱工法を検討しているのであれば、結露防止を配慮した計画的な換気が必要になるでしょう。
<家の寿命を延ばすための対応>
・精度の高い施工
・結露を防止する計画的な換気
断熱材が家の寿命を延ばす
一方の外断熱工法は、躯体が通年室温と同じ温度を保つことができるため、温度変化による躯体の劣化を防ぎ、建物の耐久性を高めることができます。さらには、建物を外気温から守ることができますから、断熱材部分に結露が発生することはありません。例えば、外断熱を施工した建物は、屋外の温度が0度で室温を20度にした場合でもコンクリートの温度は16度に保たれます。外気との温度差が4度になるため、断熱材部分に結露が発生することはなく、カビによる腐敗の心配がありません。つまり、外断熱工法は、躯体の温度変化による建物の劣化を防ぎ、さらにはカビの原因となる結露も発生しにくいことから、家が長持ちするといわれているのです。
<家の寿命を延ばす外断熱>
・躯体の温度変化による劣化を防止する
・結露によるカビの発生を防ぎ、建物の耐久性を高める
家の寿命を延ばす断熱材
家の寿命を延ばすには、住まいと向き合うことが大切です。日頃のメンテナンスはもちろんのこと、建物そのものの耐久性を高める断熱材も検討しておくとよいでしょう。断熱材の選び方次第では、家の寿命をもっと延ばすことができます。